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友人のエッセイ『なぜに・・・地獄ラーメン・・・?』

雑記

『なぜに・・・地獄ラーメン・・・?』というタイトルで友人がエッセイを書きました。よろしければご覧ください。

※友人に利用の許諾を得ています。

エッセイ

『なぜに・・・地獄ラーメン・・・?』

いつも見かける店がある。

子どもを学校に送っている途中。変わった名前のラーメン屋。その名は「地獄ラーメン」。

食べ物に地獄をつけるとは、インパクトが強すぎのような・・・。かなり辛いラーメンなのだろう。地獄を味わえる程の超辛いのもあって、「辛い物好き」には、「たまらない~♡」とか?

いつか食べてみたいと思っていた。私は、以前「チゲ鍋うどん」にはまっていたことがあるので、辛いラーメンもけっこういけるかも。まずは初心者向けの辛さから。そう思いながら、いつも車でその店の前を通り過ぎるのだった。

子どもを学校に送ったあと、食べようと思えばいくらでも食べられるのに。いつでも食べられると思うと二の足をふんでしまう。性格的なものかな?

そんな私が、地域の情報誌を見ていたら、「地獄ラーメン」の情報がのっているではないか。すごい!丁度知りたかったのだ。運命のようだ。

味は地獄の一丁目から十丁目まであるそうだ。まず地獄の一丁目。それが初心者向けの辛さだそうだ。私の思った通りだ!次は二丁目・・・と段階をふんで慣れていくのだろう・・・と思いきや、二丁目からは「激辛」と書いてあるではないか。

なぜ?どうして?私なら二丁目は「少し辛め」、三丁目は「大分辛い」とかにするのにな。

しばらく考えこんでしまったが、やはり、「地獄は甘くない」ということだろう。

二丁目から、もう「激辛」なのなら、私は十丁目まで行けるはずがないと思う。

子どもが卒業する頃になってようやく私は車から降り、店の前に立った。古い小さな店だ。店にふさわしい、古い小さな看板があって、一丁目から十丁目まであることなど書かれていた。

「この中に地獄があるのかー。」

店の中に入るとどのような人が案内してくれるのだろう?味にこだわる一徹な店長が案内してくれるのだろうか。どのような外見だろう?辛い表情がウリで、鬼の服装をしていたり?それとも、意外にもさわやかなイケメンの好青年だったりして。いや、やっぱり普通のエプロン姿のおばさんかも。

一度は食べてみたかった。入ってみたかった店。入ろうか?やめておこうか?

だけどその日はやめておいた。子どもの卒業式までもう少し日があるし、一度初心者向けを食べるだけならすぐ食べられるし。(二丁目の激辛まで食べられる、とは思わないので。)

それにしてもさすがは地獄だ。一丁目で初心者に安心させて二丁目からあっという間に地獄に突き落とすつもりなのだろう。多分、本当の地獄もそうなのだと思う。地獄があれば、だが。

まず地獄におちる。

えんま様の質疑応答(?)がある。

嘘がすぐにバレてしまう。

舌をぬかれてアッという間に牛と馬の様なのに真っ逆さまに落とされるのだ。

えんま様の質疑応答が一丁目。舌をぬかれて真っ逆さまがもう二丁目なのだろう。ああ、地獄は甘くない。激辛がずーっと続くのだろう、十丁目まで!

ところで十丁目まで行ったら、どうなるのだろうか?できれば、苦しみの務めを果たしたのだから今度は天国に行って、幸福の気分を味わいたいものだが―――。

けれど私は思う。天国に行けるのはごくわずかで、私のような俗な人間は、また人間界にもどってくるような気がする。そしてまた「地獄ラーメン!?食べてみようかな?」なんてのん気なこと言っているのかも。

結局、私は一度も店の中に入ることなくラーメンも食べることはできなかった。

子どもの卒業間近の日、今日こそ、と思って行ったのだが、店はもうやっていなかった。看板も外されていた。

早めに行けば良かった。そうすれば「こわいものみたさ」の私の小さな冒険心の結末をここに書けたのに。「辛くてもおいしかった」とか「コクがあってクセになりそう」とかコメントが書けたのにね。

「地獄ラーメン」について

「地獄ラーメン」という文字が店名に入っているラーメン屋の数は、2021年2月23日時点で、ネット検索で3件見つけることができました。

お店の名前に「地獄ラーメン」という文字が入っていなくても、地獄ラーメンを提供しているお店は他にもあるようです。

辛くない地獄ラーメンもあるようですので、見つけたら、試してみるのもよいかもしれませんね。

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