～２号との思い出～
今回の登場人物
今回登場するキャラクターの簡単な紹介。
ゆるふわ白猫星人（回想に登場）
“ちきゅー”のブラック企業で働く“ちきゅー”外生命体。正式名称は、Ｃ式２号Ｗ型。あだ名は『２号』。赤い目の白猫。お菓子大好き。
Ｃ式1号Ｗ型
ゆるふわ白猫星人（Ｃ式２号Ｗ型）の兄。あだ名は『１号』。青い目の白猫。
前回のあらすじ
２月の１４日はニボシの日。ゆるふわ白猫星人は『まざぁ』からニボシを沢山もらいましたとさ。
第九話 小説
ここは、ゆるふわ白猫星人達の星である、“らくえん”という名の星です。
ゆるふわ白猫星人（Ｃ式２号Ｗ型。以下、２号）の兄、Ｃ式1号Ｗ型（以下、１号）は２号のことを考えていました。
２号が帰って来なくなってからもう結構な日がたっているニャ。“ちきゅー”という星は、この“らくえん”と違ってとっても恐ろしい星だそうニャ。２号のヤツ、大丈夫かニャぁ。
１号は２月１４日（ニボシの日）に『まざぁ』から貰ったニボシを食べながら、２号と過ごしていた日々を思い返していました。
以下、１号の回想
ある日、１号はお外でお散歩をしていました。その日は“らくえん”の人工衛星が綺麗に見える日でした。この日になると、“らくえん”の住人達は、よくお菓子やお茶を用意して、黄色に輝く人工衛星を夜中に鑑賞して楽しんでいました。
街まで行くと、やはりお店が賑わっています。今日は１日中家で「げぇむ」をして遊ぶと２号は言っていました。ですので、人工衛星見用のお菓子とお茶は２号の分も用意してあげようと思い、１号はお店に行きました。
色々お店を見て回り、人工衛星見用のお菓子には、たい焼きを選びました。小豆とチョコレートとカスタードの３種類のたい焼きをそれぞれ２つずつ。自分と２号の分です。３種類もあれば、きっとアイツも満足するはずニャ！１号は２号が喜ぶ姿を想像し、笑みを浮かべました。
人工衛星見用のお茶は、甘めの抹茶にしました。２号は甘い物が好きだからニャ！家にお茶の在庫はあるけど、今日はいつもと違った高級そうニャものにしよう！
たい焼きと抹茶を抱えて、１号は家へ向かいました。
家に帰ると、大量の段ボール箱とタオルが散らかっていました。２号はと言えば、沢山のカラフルなタオルの上で、ゴロゴロとしていました。
「２号、これはどういうことニャ！！」１号は声を荒げました。
「お、１号。帰ったのかニャ！今日は懸賞が届く日だったニャ！ほとんど参加賞のタオルだったけどニャ！！でも、このタオルも結構いい触り心地ニャ！触ってみるニャ☆」
「そんニャことより！足の踏み場がニャいニャ！！片付けニャさい！！」１号は怒りましたが、２号は全く動く気配がありません。
「開封して今疲れているニャ☆あーとーでー、やるニャ☆」と言い、再び２号はタオルの上でゴロゴロしました。
「ニャ！今すぐ片付けニャいと、今日の人工衛星見のお菓子とお茶はお預けニャよ！！」１号のその言葉に、２号はむくりと起き上がりました。
「ニャニャ！お菓子！！ニャんのお菓子かニャ？」
「たい焼きニャ！小豆とチョコレートとカスタード味があるニャ！」
「・・・今すぐ片付けるニャ！！！」
２号は早速片付け始めました。その様子を見て、やれやれと思った１号は、抹茶をつくるためにキッチンへ向かいました。
二人（匹）分の抹茶をお盆にのせてキッチンから戻って来たら、部屋は綺麗に片付いていました。ほっとしたのも束の間、そこには、人工衛星見用のたい焼きにかじりつく２号の姿がありました。今２号がかじりついたものが最後の１つのようです。
「ニャ！？２号、僕の分のたい焼きは！？」１号は尋ねました。
「おいしくてつい食べちゃったニャ☆運動してお腹もすいていたから許して欲しいニャ☆」
全く反省していない様子の２号を見て、１号はがっくり項垂れました。
回想終わり
・・・なんてこともあったニャ。昔のことを思い出し、１号は何とも言えない気持ちになりました。
偶然にも、今日も人工衛星が綺麗に見える日です。１号は甘い３色団子と苦い緑茶を用意し、黄色に輝く夜空の人工衛星を鑑賞して楽しみました。
２号がいないと、へいわニャね・・・。やっぱりしばらく帰って来なくてもいいかもニャ。そう思いながら、１号は落ち着いた生活をかみしめました。
第九話 漫画
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