虫歯・歯周病・口臭を予防する方法の一つに、「粉末緑茶うがい」があります。「粉末緑茶うがい」とは、歯磨きをした後に粉末緑茶の濃い水溶液(濃い煎茶)で口をゆすぐ、というものです。
今回は、粉末緑茶(煎茶の茶葉を粉末状に加工したもの)に含まれる歯に良い成分と歯に悪い成分について解説します。
歯に良い成分
粉末緑茶には、カテキンやフッ素(フッ化物)などの歯に良い成分が含まれているため、虫歯・歯周病・口臭を予防すると言われています。
カテキン
カテキンの働き
お茶特有の苦味をもたらすカテキンには、次のような働きがあります。
- 虫歯菌や歯周病菌の増加を抑制する
- 虫歯菌が酸を作るのを抑制する
- 歯垢(プラーク)の形成や付着を抑制する
- ニオイ成分を中和する
このカテキンの働きにより、緑茶を飲んだり緑茶でうがいをしたりすると、虫歯・歯周病・口臭を予防すると言われています。
カテキンが多く含まれているお茶は?
お茶の中でも、カテキンが多く含まれているのは「煎茶」です。
またカテキンは光合成によって増えるので、5月初旬頃に収穫される一番茶の煎茶よりも、6~7月あたりに収穫される二番茶・三番茶の煎茶の方がカテキンの含有量は多くなります。
さらに、茶葉を丸ごと摂取できる粉末緑茶の方が、急須でつくる緑茶よりも摂取できるカテキンの量は多くなります。
煎茶をよく飲む人は、虫歯になりにくいとも言われています。
フッ素(フッ化物)
フッ素(フッ化物)には、
- 歯を強くする
- 歯を修復する
- 虫歯菌の働きを抑制する
という効果があります。
フッ素は、多くの歯磨き粉や洗口液にも含まれており、虫歯を予防してくれます。
歯に悪い成分
粉末緑茶にはカフェインが含まれています。カフェインは、摂取することで歯に悪い影響を与える可能性がある成分です。
カフェイン
カフェインは、お茶の苦味成分であり、利尿作用があります。
体内の老廃物や毒素を尿として外に排出してくれるので「むくみ」の解消などの効果が期待できますが、体から水分を奪うというデメリットがあります。
体内の水分が減ると、唾液の分泌量の低下につながります。唾液が少なくなると虫歯菌や歯周病菌などの悪玉菌が繁殖しやすくなるため、お口のトラブルの原因となります。
まとめ
粉末緑茶には歯に良い成分のカテキンとフッ素(フッ化物)が含まれているため、緑茶を飲んだり緑茶でうがいをしたりすると、虫歯・歯周病・口臭を予防すると言われています。
しかし粉末緑茶に含まれているカフェインを摂取すると、唾液の分泌量が低下して、口の中の悪玉菌が繁殖しやすくなる可能性がありますので注意が必要です。
ちなみに、緑茶は歯の着色汚れ(ステイン)の原因になるという意見と、ならないという意見があります。
よく紹介されている「粉末緑茶うがい」の効果的な方法は、
歯磨き → 濃い粉末緑茶の水溶液でうがい → 口をすすがずに就寝
です。
歯の着色汚れが気になる人は、緑茶でうがいをした後は歯磨きをしたり水で口をすすいだりするとよさそうですが、カテキンやフッ素が口の中から流れ出てしまうため虫歯・歯周病・口臭を予防する効果は薄くなるそうです。
コメント