「重曹うがい」は、虫歯に効果があると言われています。
この記事では、重曹うがいの効果や方法、危険性と、重曹の安全性や危険性などについて説明します。
※「重曹うがい」については、その効果や安全性について不明な点もあります。「重曹うがい」をする場合は、専門家に相談するなどして、自己責任で行ってください。
また、この記事の内容には誤りがある場合がありますのでご注意ください。
重曹うがい
「重曹うがい」とは、粉末の重曹を水に溶かした「重曹の水溶液」で「うがい」をすることです。
重曹うがいの効果
虫歯は、虫歯菌がつくる酸によって歯が溶ける病気です。
重曹の水溶液はアルカリ性なので、虫歯菌がつくる酸を中和してくれます。そのため、重曹うがいは虫歯を予防する効果があると言われています。
さらに、重曹うがいをすることで口の中が酸性になる時間が減るので、歯の修復時間が増えます。そのため、初期の虫歯が改善される効果もあると言われています。
重曹うがい用の重曹水溶液(500 ml)の作り方
- 500 mlのペットボトルに、水を500 ml入れます。
- 約3gの「食用(料理用)」の重曹を加えます。※
- ペットボトルのキャップをしめます。
- ペットボトルよく振って重曹を水に溶かして完成です。(重曹は水に溶けにくい性質があり、粉の状態だと研磨力が強すぎるため口の中を傷つける可能性があります。ペットボトルをよく振って重曹を完全に溶かしましょう。)
※お店で販売されている重曹は一般的に、医薬用、食用(料理用)、工業用(掃除用)の3種類があります。重曹うがい用の重曹水溶液を作る場合は、必ず「食用(料理用)」の重曹を使ってください。
重曹うがいの方法
重曹うがいは食後、寝る前、起床した時などの歯磨き後に行います。
重曹うがいの方法は、上記で作った重曹うがい用の重曹水溶液で口の中全体をゆすぐだけです。つまり、「ブクブク」と、うがいをします。
重曹うがい後は、口の中を水でゆすぎます。
(重曹は少量であれば飲み込んでも安全と言われており、重曹うがい後は水でゆすがなくて良いとも言われています。ただし人によっては刺激を感じる場合がありますので、口の中に違和感があったり心配がある方は、重曹うがい後は口の中を水で洗い流すと良いでしょう。)
重曹うがいの注意点:重曹の研磨効果により体が傷つく可能性がある
重曹には研磨効果があります。そのため、重曹うがいをする際は、以下の点に注意しましょう。
喉を使ったうがいをしない
重曹うがいをする際は、喉を使う「ガラガラ」うがいをしてはいけません。重曹の研磨効果によって喉が傷つく可能性があるからです。
重曹うがい後に歯磨きをしない
重曹うがい後に歯磨きをしてはいけません。重曹うがいをした後に歯磨きをすると、重曹の研磨効果により歯や歯茎を傷めてしまう可能性があるからです。歯に傷が付くと汚れがつきやすくなり、逆に虫歯になりやすくなってしまうかもしれません。
重曹うがいの危険性
塩分をとりすぎてしまう
重曹1gあたりには、食塩の約0.7gに相当する塩分(ナトリウム)が含まれています。
そのため、重曹うがいをすると、口の粘膜から塩分が吸収されてしまいます。
塩分をとりすぎてはいけない病気の方や、普段から塩分をとりすぎている方などは、重曹うがいをすることで健康を害する危険があります。特に高血圧、心臓病、腎臓病、妊娠中の方などは、命にかかわる危険性があります。
また重曹うがいをすることで塩分をとりすぎてしまうと、高血圧やむくみなどの原因になります。健康な人でも、重曹には塩分が含まれていることは覚えておくとよいでしょう。
重曹うがいについては否定的な意見もある
重曹うがいには、虫歯に対して有効であるという意見がある一方、逆に口内環境や健康に悪影響を与えるという否定的な意見もあります。
重曹うがいの効果や人体への影響については不明な点がありますので、重曹うがいをする場合は、かかりつけ医などの専門家に相談するなどして、自己責任で行ってください。
重曹の性質
重曹は、「炭酸水素ナトリウム」、「重炭酸ナトリウム」、「重炭酸曹達」(曹達はソーダと読み、ナトリウムNaのことです。)などとも呼ばれています。「重炭酸曹達」を略したものが、重曹です。化学式はNaHCO3です。
重曹の水溶液は弱アルカリ性
重曹は水に溶けて弱アルカリ性(pH 8程度)を示します。
重曹(NaHCO3)を水に溶かすと、次のようにナトリウムイオン(Na+)と炭酸水素イオン(HCO3−)とに分かれます。なお、炭酸水素イオン(HCO3−)は重炭酸イオンとも呼ばれます。
NaHCO3 → Na+ + HCO3−
さらに、炭酸水素イオン(HCO3−)は水(H2O)と反応して炭酸(H2CO3)と水酸化物イオン(OH−)になります。
HCO3− + H2O ⇄ H2CO3 + OH−
このように、重曹を水に溶かすと水酸化物イオン(OH−)できるため、重曹の水溶液はアルカリ性を示すのです。
重曹の安全性
重曹は掃除や入浴剤、医薬品などの色々な用途に使われていますが、食品添加物としても使用されており、例えば、膨張剤(ベーキングパウダー)としてパンやホットケーキなどに使われています。
また、重曹は人の体内や自然界にも存在しています。
したがって重曹は大量摂取をしない限り、健康な人にとっては口の中に入れても比較的安全性が高いと言われています。
重曹の危険性
上述したとおり、重曹は弱アルカリ性で、食品添加物としても使われていて、人体にとっては比較的安全性の高いものです。
しかし大量に摂取すると、腹痛や下痢などの症状があらわれる場合があります。
また重曹(炭酸水素ナトリウム:NaHCO3)にはナトリウム(塩分)が含まれているため、大量に摂取すると高血圧になったりむくみを生じたりと、病気の原因になります。特に塩分をとりすぎてはいけない人は要注意です。
他にも、重曹は弱いといえどもアルカリ性(弱アルカリ性)なので、接触により肌が荒れる危険性があります。皮膚に付いたり眼に入ったりした場合は水でしっかりと洗い流してください。
重曹が原因で痛みなどの症状が続く場合は、すぐに病院を受診してください。
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